スポーツ整形外科
スポーツ整形外科
スポーツ整形外科は、スポーツ中の外傷やスポーツ活動の継続に伴う障害を専門的に診療します。スポーツ選手のみならず、スポーツを行う一般の方々が対象となります。スポーツ外傷や障害は、選手の置かれた環境、外傷や障害の程度などによって、どのような治療を行うのか、手術を行うのか、復帰時期をいつに設定するかなど方向性は様々です。大宮アルディージャのチームドクターを長年務めてきた経験を生かし、的確な診断、患者様のニーズに合う治療を行いスポーツ復帰を目指していきたいと思います。治療の一つとしてリハビリテーションは重要ですが、スポーツ現場にも精通した理学療法士が在籍しており、人工芝エリアでの動作確認など含め、より現場での活動に近づけるリハビリテーションを提供していきます。スポーツ活動から離脱することは精神的にも辛いことですが、身体の使い方などを改善し、怪我の再発を防ぐための良い機会であると発想を転換して、一緒に頑張って行きましょう。また、スポーツ外傷や障害に伴う再生医療、体外衝撃波治療も積極的に行っています。
成長期（小学生から中学生）に発生しやすい「スポーツ障害」は、慢性的に起こりやすくなります。成長期は、骨および筋・腱の発育が著しく起こり、これらが成長期のスポーツ障害の原因となることが多いです。代表的なものとして、野球肩、野球肘、腰椎疲労骨折（腰椎分離症）、オスグッド病、シーバー病などがあります。
野球の投球動作の他、テニス・バレーボールのサーブ、スマッシュ、腕を大きく振る動作を繰り返すスポーツで生じるのが肩の痛みです。過度な投球動作が原因となることが多いですが、肩周りの筋力不足や、身体の柔軟性不足、動作フォームの不適切さなどが原因であることが多く、リハビリで改善をはかります。
投球動作によって起こる肘関節の障害の総称です。野球肘は野球やソフトボールだけではなく、テニスなど、ラケットを振る動作で肘に強い力がかるスポーツでも生じます。リハビリにより全身機能改善と投球フォームの改善など早期に行うことが重要です。
野球、サッカー、バスケットボール、陸上などの選手によく見られる疲労骨折です。腰椎の後方（関節突起幹部）に亀裂が生じ、疲労骨折が生じている状態です。疲労骨折の治癒には時間経過も必要ですが、疲労骨折を生じた原因を全身機能評価で探りリハビリで改善してゆくことが重要です。
膝のお皿の骨から数センチ下の部分の腫れ、運動時の痛みが主な症状です。太ももの前面にある大きな筋肉が、成長しきっていない膝のお皿の骨から数センチ下の部分を引っ張りすぎることが原因です。初期の段階で発見・治療開始し、運動量の調節やリハビリを行うことが重要です。
10歳前後の男の子に多く見られる病気です。かかとの軽い腫れ、押すと痛みを生じること、歩行痛が症状となります。過度な運動の後に症状として出ることが多いです。オスグッド病と同様に適切な運動量の調節やリハビリを行うことが重要です。
この時期には骨の成長は完了してきており、大人の身体に近づいています。スポーツの活動性が上がり、スポーツ特有の怪我が多く見られるようになります。男子の場合は高校1〜2年生、女子は中学3年生ほどまでが成長期です。スポーツ障害は、成長期と同様に筋力の低下や、柔軟性の低下、全身的な動作の問題などが原因となりやすいため、リハビリを行い復帰、再発を予防することが大切です。もしどこかに痛みがある、違和感を感じている、パフォーマンスが発揮できないなどがありましたら、早めの受診をお勧めいたします。
スポーツを行う中で、急に無理な動作を行った場合に、筋膜や筋繊維の損傷・断裂が起こった状態を肉離れと言います。激痛が走り、それ以上の運動を続けられなくなることもありますが、違和感程度で症状がわかりにくいこともあります。肉離れは損傷部位などによって復帰時期が大きく変わります。超音波検査やMRI検査などで的確に診断し、復帰に向けてリハビリを行っていきます。
スポーツを行う中で、非常に多い疾患です。ジャンプの際の着地や急な方向転換の際に靭帯が引き伸ばされてしまい、損傷や断裂が起こります。外くるぶしの下や前を中心に痛みや腫れが見られ、程度によっては歩行が困難となります。可動性の回復などがうまく進まないと、足関節全体の機能低下を生じて慢性化してしまうため、早期に適切な診断とリハビリを行うことが重要です。
サッカーやバスケット、バドミントン、柔道など様々なスポーツ中に発生します。ジャンプの着地や切り返しの際に膝をひねったりすることで前十字靭帯が損傷します。回復すれば日常生活には問題がないことが多いですが、スポーツの際には膝くずれなどの症状が生じるため、ある程度のスポーツ活動を行うためには手術治療が必要となります。また、手術後は再発予防も含めリハビリの継続が重要です。
半月板は、膝関節の中にあり、大腿骨と脛骨の間にある繊維軟骨です。スポーツ中の一度の怪我で損傷することもありますが、慢性的に生じてくることもあります。MRIで損傷の程度を的確に診断する必要があります。損傷の程度や選手の状況などをふまえ、注射やリハビリを組み合わせた保存療法、手術治療の選択肢を慎重に見極めて治療を進めていきます。
アキレス腱の周囲に炎症が起こります。過度な運動量で生じることもありますが、運動時の地面の硬さや、筋柔軟性の低下、身体の使い方など様々な原因が考えられます。リハビリと運動量の調節で改善することが多いですが、注射や体外衝撃波、再生医療を行うこともあります。
スポーツや転倒などによって肩関節が外れることを言います。一度脱臼することで外れやすくなってしまう方も多く、このことを反復性肩関節脱臼と言います。ラグビー、アメフト、柔道、サッカーなどの選手によく見られます。年齢にかかわず、日常生活に支障をきたしたり、パフォーマンスを十分に発揮できない場合は手術が必要となる可能性があります。
加齢による腱の脆弱化に伴い、スポーツ障害が起こることも少なくありません。代表的なスポーツとして、ゴルフ、テニス、ジョギング、水泳、ウォーキングなどによる腰、肘、肩の痛みを生じるようになります。
半月板損傷や十字靭帯損傷などの影響で、変形性膝関節症が進行しやすいことがあります。治療としてはリハビリ、注射、手術治療、再生医療など様々な選択肢がありますので、変形性膝関節症の程度やスポーツ活動の状況などによって、一人ひとりに合った治療を計画していきます。
長期にわたる運動などにより、肘に負担がかかり、肘の中がすり減り、次第に骨が変形してしまう疾患で、初期は痛みを感じますが、進行すると肘の動きが悪くなります。骨棘と呼ばれる骨の棘が現れてしまうためです。痛みが強く動きに制限があっても、保存的療法を基本として治療をしていきますが、神経に症状が起こった場合に、症状によっては手術治療が必要となります。
テニスのラケットを持ったり、物を持った際に、肘の外側から前腕にかけて痛みます。中年以降のテニス愛好家に生じやすいため、テニス肘とも呼ばれ、テニス以外に、長時間PC操作をするデスクワークの方や主婦が重い物を持って発症することもあります。前腕筋群の硬さの改善などをはかり、場合によっては注射や体外衝撃波を行うこともあります。
ゴルフの最中や、テニス、ボーリング、野球などのスポーツの際に、肘の内側に痛みを感じる症状です。似た様な症状で肘の外側に痛みが出るのが、テニス肘、肘の内側に出るのがゴルフ肘です。無理なスイングを続けたりすると上腕骨内側上顆部に過度な負荷がかかり、炎症を起こします。テニス肘と類似した治療を行います。
足裏の足底筋膜の踵への付着部の炎症、または微小な損傷と考えられます。過度な運動量で生じることもありますが、筋柔軟性の低下、身体の使い方など様々な原因が考えられます。リハビリと運動量の調節で改善することが多いですが、注射や体外衝撃波、再生医療を行うこともあります。